
魔法編
第十二回
ぼくのかんがえたさいきょうのオリジナル
魔法こそが力であり、権力の象徴である世界。
それは戦場に大砲が出現し、世界が大航海時代に突入した現在に至っても、
それは変わらず世界の中心に在った。
世界三大発明は、大きく世界を進化させた。
その中で更なる拡大を目指す国同士で、領土拡大戦争が世界各国で発生した。
しかし、そんな中で争うことなく、長らくの平和を享受している小国達があった。
小国達は魔導国家連合を結成し、魔法の名の下に平等と結束を尊重した世界を築いていた。
魔導国家連合の議会は25カ国の加盟国の首脳と、更に一人の魔導国家連合議長によって採決される。
議長に任期はなく、自ら辞任するか死去による空位しかない。
そして昨日、議長死去の報を魔導国家連合加盟国全ての情報機関が一斉に伝えた。
それは同時に次の議長を決めるための、実に104年振りの大魔導決選の開催を意味していた。
各国が自国の代表者を一名選出し、他国の魔導師と魔法の優劣を競い合う。
そして大魔導決選によって選ばれた最も優れた一人の大魔導師が、次なる議長を指名する。
大魔導師は自分を指名する事も可能で、指名された者に拒否権は無い。
この戦いの先に、魔導国家連合を待ち受けているものは、
平和か、戦争か、はたまた―――。
FAQ
Q.世界三大発明とは?
A.ルネサンス時代に発明された活版印刷、火薬、羅針盤の三つを指します。この世界の技術力などもルネサンス時代と同程度です。
Q.大魔導決選って何?
A.連合が結成される前の戦争があちこちであった時代。その時代で最も強力な力を持った魔導師の事を、人々は大魔導師と呼びました。大魔導師は信仰の対象であり、その影響力は諸国の王をも凌ぎました。しかし連合が結成されて以来、平和な諸国では誰を大魔導師とすべきなのか判断がつきませんでした。そのため、加盟国より選りすぐられた魔導師が腕を競い、最も優れた魔導師を大魔導師と定め、議長選定という最も難しい判断も大魔導師にやってもらい、大魔導師が決めたんだから誰も文句は無いよな?という風に定められました。
Q.なぜ大魔導決選が104年振りなのか?
A.前議長が20歳で議長になり、124歳で亡くなるまで議長を務めたからです。
Q.人間以外が参加可能か?
A.大魔導決選のルールの中には「何までが魔導師か」や「人間以外の参加禁止」を謳った文章はありません。
Q.魔導国家連合とは?
A.約300年前に発足した大小25カ国が加盟する魔導国家の集まりです。
Q.魔導国家連合議長とは?
A.大魔導決選によって指名された人物の事です。初代議長は大魔導師で魔導国家の団結と平和を訴えかけて、魔導国家連盟を発足した人物です。そして亡くなられた前議長は六代目になります。
任期は最も短い議長で3年、最も長く努めた議長で、六代目の104年になります。
Q.魔法はどれくらいこの世界に根付いているのか?
A.国によって大きく異なります。そのキャラクターの住んでいる国では全てを魔法で補っているかもしれませんし、魔法は特別な手段として限定的に使用されているだけかもしれません。