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葛城 維織

24歳 女性
維織は家の事情で男として、武士として育てられた。いつからか不思議な力に目覚め、妖怪に取り憑かれ妖術を使うと人々に嫌われた。そして外国に行く船に乗せられ齢十四にして国を追い出されてしまった。長いこと船を乗り継いでたくさんの国を訪れたがどこも受け入れてはくれなかった。肉体的にも精神的にも限界というときに訪れた国が今までとは違っていた。
皆自分と同じ妖術を使うものばかりいる。しかし言葉が通じない。身なりもこの国の人間と違うためかあまり相手にされない。どこに行ったら良いかわからずしばし彷徨っていると、ひときわ大きな建物が正面にある大通りに出た。祖国で言うお役所だと思い、中を覗いてみると年頃の少年や少女が妖術の修練をしていた。それに見惚れていると後ろから一人の少女がやってきて声をかけてきた。当然彼女が何を言っているのかは理解できない。ただ理解できるのは敵意がないということだけであった。
維織はとりあえず自分の名前を知ってもらおうと自分に指を指して名前を何度も名乗った。そうすると相手も同じようにして指を指し、リリアーヌと口にした。祖国を出て初めて意思疎通が出来た瞬間であった。そして維織もここにいる者のように妖術が使えるということを伝えるべく妖術を使ってみる。すると何やら考え出し、何かを思いつくと維織は建物の中へ連れて行かれるのだった。
それから十数年の歳月が流れた。今ではこの国の言葉も妖術も自在に操ることができ、何不自由なく暮らしている。あの時出会ったリリアーヌは歴代王の血を引く人間だったようで、その後一緒に学校に通うついでに子分にさせられてしまった。その後彼女は主席で、維織は次席で卒業した。そんな彼女は今ではどんな魔法をも極める王だからということで極王(きょくおう)と呼ばれ、王としてこの国に尽力している。維織はというと、王の懐刀として王の補佐をしながら刀と妖術の鍛錬に励んでいる。
ある朝、日課である農業新聞を読んでいると上機嫌なリリアーヌがやってきた。何やらお願い事があるようだ。リリアーヌのお願い事は日課のようなものである。しかし今回はいつもとは違うようでものすごく上機嫌ながらも真剣なお願い事のようだ。なんでも今度行われる大魔導決選に出てさらっと優勝してきて欲しいとのこと。なぜ私に?と尋ねると、あなたが一番信頼できて一番強くて、この国を代表するにふさわしいからだそうだ。私は魔法界の命運を握らされているとは知らず、上機嫌で出場を承諾するのであった・・・。

戦闘スタイル
刀と妖術を使って戦う二刀流で手数の多さで近接戦闘を仕掛けたり一刀で力強い一撃を与えたり相手に対して柔軟に戦う。

妖術(魔法)
擬似妖刀
基本は地水火風陰と様々な属性を刀に付与して多彩に戦う。二刀それぞれに違う属性を付与することもできる。付与には2秒ほどかかる。

火炎車
炎を纏った刀での連続斬り。火を付与しているときのみ使える。両刀に火を付与しているときに使う。

濃霧
指定した位置に濃い霧を発生させる。一刀に水、一刀に火を付与しているときに使える。

荒波
水を付与した刀を振り水流を作る。両刀に水を付与した場合のみ使える。

烈風
刀に風邪を付与し、大人を吹き飛ばすほどの激しい風を放つ。両刀でないと強い風は起こせない。

岩壁
地面から分厚い岩の壁を出現させ、相手の魔法を防ぐ。刀への付与関係なくいつでも使える。

陰縫い
地面に陰を伸ばし、伸ばした先に移動する。陰を付与しているときにのみ使える。一刀で5m、両刀だと10m移動できる。

Peace of Terpin
自分を中心に広範囲に強力な光魔法が広がり相手に大ダメージを与える。使うとものすごい疲れる。発動までに7秒必要。リリアーヌにこっそり教わったとっておき。

【 所属国家設定 】:
魔法国家としての成り立ち。
魔法統治国家では連合国の中でも比較的新しい国で争いを好まない国民性を持つ、名前はテルピン。初代の国王はある大国から逃げ出したその国最強の魔女だった。逃げた先の海沿いの農業だけで政経を立てていた国で普通の暮らしでは返せないほどの恩義を受ける。彼女は恩返しのために当時魔法が珍しかったテルピンで魔法を使った国の発展に尽力し、テルピンは力を蓄えた豊かな魔法国家へ急速に成長。国民は彼女を王として認め、彼女を聖王と呼ぶようになった。そこから現在に至るまで王には愛称が付けられるようになった。現在の王
は聖王の血筋の人間で聖王の再来と言われており、かなりの平和主義者である。

王立魔法学校について
テルピンの王立魔法学校は歴代王や学校出身者の知識技術を脈々と受け継ぐ。誰でも入学することができ、基礎魔法理論さえ理解できれば先に進むことができる。魔法学科と魔法薬学科の2つの学科があり、そこからさらに細かくコースが分かれている。連合国の中でもトップクラスの魔法使いや魔法薬剤師を輩出することで有名で、国外からの入学希望者も後を立たない。テルピンが滅びれば向こう10年は魔導が停滞し、新たに後継が出なければ衰退の道を辿るだろうと言われるほどの名門校となっている。

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