top of page

ウィルバート・ギリアム

発明国『イノ』の国立魔技大学名誉教授「ウィルバート・ギリアム」(63)の大魔道決選出場に関する決選運営委員会による素性詳細レポート。

【前述】
かの有名な世界三大発明羅針盤の発明者であり、磁力という未知の力を日々研究している研究者でもある御年63歳のギリアム氏。数々の名誉や富を得た彼だが決選出場志願まで彼の魔法の詳細については不明だったため、その詳細を含めギリアム氏の素性を改めてレポートに纏めた。

【略歴】
20歳 地質研究者として10年かけて船で世界を回る。

33歳 羅針盤の発表。それにより同年に最高位技術章を受章。

34歳 イノ国立魔技大学の教授に就任。

42歳 磁力と導体に関する研究論文を発表。同年、魔導連合章を受賞。

49歳 磁力研究の他に魔法を必要としない兵器開発に従事をし始める。

62歳 イノ国立魔技大学にて火事が発生。研究室が焼失する。同年、火縄銃を完成、発表する。

63歳 定年退職とともにイノ国立魔技大学の名誉教授に就任。同年、大魔道決選に出場志願。

【動機】
ギリアム氏は出場動機について「ワシは今まで航海で多くの国を見てきた。多くの国では力の強い個人に依存し、裁定や判断を強者によって決めてきた。大魔道決選もそうじゃ。この世界は弱者に権限がなく、ただ強者の言われたままに従うだけ。これでは人形と変わらぬ。ワシが目指すのは、物を考え、学ぶ者に等しく平等な権利を与えることだ。」と語っていた。

【魔法】
今の今までギリアム氏による正式な魔法の登録はなかったが、決選登録用紙によると「磁力魔法」であることが判明した。それに伴い彼と親しい研究者などにその詳細を取材した。

研究者A「去年辺りから教授は大量の砂鉄を立方体や球体にして浮かせるようになりましたね。」
研究者B「半年前の大学模擬訓練では離れた人に百発百中で金属球が命中!あれも磁力なんですかね?」
助教授 「去年、大学で火事があったんですけどギリアム氏は砂鉄で自身と研究材料を包んで炎から出てきましたね。熱とかでギリギリだったらしいですが。」
友人  「あいつ人の家に来ても黒いゴマみたいなので椅子作って浮いてんだよ。」

以上のことからギリアム氏の磁力魔法の習得は去年。能力は「金属操作」「遠隔磁力付与」「物体形成」等である思われる。また、主要武器は超大量の砂鉄で他にも火縄銃など仕込み武器を砂鉄内に隠している可能性も見られる。魔法自体も攻防バランスの良い魔法であり応用性も高い。運営は大魔道決選には十分な力をもているとみなし、これでこのレポートを終了する。

【 所属国家設定 】:
【発明国『イノ』】
ギリアム氏が在住する発明国イノについて記述する。
 イノが発明国と呼ばれ始め、正式に連合に加盟したのは30年前であり加盟国では新参国のほうである。発端は32年前にギリアム氏が長い航海の末に研究をまとめる拠点を求め、小国イノに訪れたことである。
 移住後、2年で羅針盤を完成させ世界で発表した直後、イノには数万人もの人数の移住者が訪れた。その殆どがギリアム氏に会いに来た研究者や学者であった。その後住み込んだ人達によって、一年を経たずしてイノは発明国へと生まれ変わったのだ。
 今では大学や研究所、工房が並び建ち、新技術の発明者や発見者の殆どはイノ出身者であるほどだ。しかし、この国は魔法に対する研究は発展よりも原理の追求が主であった。なぜなら発明国の目指すところは魔法を技術で補うことによる「才能無き者への救済」であるからである。

 

bottom of page