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第四回「囚人編」

基本設定

 

科学都市で行われたトーナメント から2年の月日が流れた――。

 

惡の能力者から街を守るために結成された「対能力者部隊」と、悪事を働く能力者達の対決は熾烈を極めたが、 

選りすぐりの「対能力者部隊」が徐々に優勢となり、悪の能力者の多くは「特殊収容所」に収監される事となった。 

こうした「対能力者部隊」の活躍により、科学都市には少しずつではあるが活気と平和が戻り、 

封鎖状態自体は解除されなかったが、限定的な他都市との交易が再開される事となった。

 

「特殊収容所」 

一般的な犯罪者を収監する収容所では手に負えない「能力者」や「重大犯罪者」を収容している特別な収容所。 

この収容所の壁には世界最硬度を誇る「スーパーコンクリートX(後述)」が使用され、 

あらゆるエネルギーによる干渉を無効化する事で、万全な警護体制を築いていた。

 

――と思われていた。

 

ある日、独房から一人の囚人が脱走した。 

どうやって強固な独房から抜け出したのかは不明。 

その囚人は迷うことなくコントロールルームに向かい、当直の看守を殺害してから全ての独房のロックを解除した。 

放たれた囚人達により、特殊収容所内はパニックになり、ほとんどの看守が殺害または行動不能状態に陥った。 

囚人は一斉に特殊収容所からの脱出を図ったが、特殊収容所は既に厳戒態勢になっており、特殊収容所の扉、窓、あらゆる脱出口が封鎖されていたが、

看守の多くの生死が不明のため、ライフラインの供給は継続され続けた。 

惡にまみれた混沌の空間で、一人の囚人が声を上げた。

 

「ボスを決めよう」

 

閉鎖された科学都市の中にもう一つ、禍々しい国家が築かれようとしていた。

 

 

※スーパーコンクリートXとは 

科学都市で奇跡的に発見された超硬物質である。 

いかなる干渉を受け付けないが、スーパーウォーターZに触れる事のみで化学反応を起こし、融解する。

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