top of page

第七回「百鬼夜行編」

応募総数45通!たくさんのご応募有難う御座いました!

 

ちょいとそこ行くあんたらよ、酒の肴にじじぃの話を聞かねぇか?
なぁに、ただの戯言だ。

まったくもって、この人の世ってぇのは昔に比べて住みにくくていけねぇ、そう思わねぇかい?
人でない俺らが人の世で隠れたり、人に紛れて生きる様になってざっと…何年かはもう覚えてねぇけどよ、
なげぇ間そうやって生きていくのもそろそろ飽きが来るってもんだ。そうだろ?

それならどうだい、たまには羽目外してお祭り騒ぎってのも悪くねぇ。
人間共も下を向いて歩くようなこのご時世だ。
俺らが多少騒ごうが、なぁに、気付きはしねぇよ。

えっ?何をしでかすかって?
そうさな、例えば妖、九十九に、幽霊に。
なんなら海の向こうの輩だって構いやしねぇ。
100年前じゃあいなかった新しい妖怪もいるって噂じゃねぇか。
どうだい、いっちょぱぁっと集まって、誰が一番強いか決めるってのもおもしれぇ。

ただの暇つぶしの祭りさね。
一等になったからって金銀財宝てめぇの手に入るってわけじゃねぇが、そいつにゃ百鬼夜行の先陣でもきらせてやらぁ。
百の異形を引き連れて空を駆けるのはそりゃもう格別ってもんだ。

ん?そんなことしたら人間に見られる?
はっはっ、さっきも言っただろう?今の人間共なんていつでも下向いてるから、俺らが空を駆けようが、なぁに気付きやしねぇさ。
もし気付いたとしても、ちったぁ上やら前やら見るいい機会になんだろう。

人でないもの全部集めて平成の世を百鬼夜行。

それでこの祭りの「ふぃなーれ」ってやつにしようじゃぁねぇか!

                          ――――妖怪総大将 ぬらりひょん

bottom of page